GARNET CROW PARK

GARNET CROWの歌詞の意味を考察しているブログです。

7曲目『Argentina』

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今回は、情熱的ブチギレソング『Argentina』を深読みしていきたいと思います。

 

Argentina

AZUKI七

“騒音纏わりついて
肝心な声は消え
曖昧な微笑みで
逃げようとしてる”

なんかうるさい場所にいます。

誰かと話しているようですが、相手は騒音に乗じて話をはぐらかし、シレーっとやり過ごそうとしているようです。

イライラ感が伝わってきます。

 

“生命の危機に似た
終幕を奏でたって
再会の猶予なんて
少しも残したくない
そうね簡単に他人になれちゃうし”

状況的に、別れ話の最中を想像します。

どこで話してるのか分かりませんが、周りはクソうるさいので、街中とか居酒屋とかクラブとか、マジメに話し合うには全く適さない場所だと思われます。

恐らく急なケンカです。

結果、「金輪際、二度と会わねェ」と主人公が激おこです。

相手の浮気でも発覚したのかもしれません。

“生命の危機に似た終幕”とは、男女の別れ際における「殺し合いレベルの激しいケンカ」と解釈します。

要は修羅場です。

「どうせ恋人つったって、何かあればすぐ“他人”同士に逆戻りだろうがオラァ」と投げやりになっています。

 

“最低な気分だって
何度も言わせないで
修復はこれまでに
不可能だって 気づいているでしょう”

主人公はかなりの激情型のようで、GARNET CROWの曲に出てくる人物としてはかなり珍しいタイプです。

この怒り方は、相手が浮気をやらかしたと見ていいと思います。

相手は言い訳がましく関係継続を望んでいるようですが、主人公はブチギレモードなので火に油を注ぐのみです。

 

“感嘆のため息は
賞賛の為じゃなくて
落胆を隠す為って事もあり”

“感嘆のため息”とありますが、浮気したカスに対して感嘆している訳がないので、何か別の対象に向かっての行動だと考えられます。

感嘆や賞賛といったワードは、何らかの作品やショーのようなものを観ているときに使われるイメージです。

辺りはうるさいようですし、クラブかどっかのダンスパーティーだと解釈しておきます。

そうすると、ステージのダンスショーを観て感嘆するフリをしながら、相手をガン無視している画が浮かんできます。

 

“あぁ Fade-out したがるなんてね
もう 終わるものなら
Cut-out 引きずらないわ”

開き直ったのか相手は諦めて、ケジメもつけずにぬるーっとサヨナラを決める構えのようです。

ここのブロックを見ると、ブチギレながらもまだ相手のことを完全に見限った訳ではなかったようです。

浮気されてカッとなり、勢いづいて「二度と会わん!!!」とは言ったものの、一方で「これで終わんのかい……」という複雑な心境が伺えます。

ただ、相手がフェイドアウトというゴミクズムーブを取ったことで、さすがにもう別れを決意したのでしょう。

 

“Remember Argentina
情熱に巻かれりゃいい
地を駆け Fallin' Argentina
夜を越えて 生まれ
体とmind そう Argentina
きつく強く結び
想い出は ねぇ Argentina
重く邪魔なだけね”

“Argentina”というのは、「エビータ」の愛称で呼ばれる元アルゼンチン大統領夫人の「エバ・ペロン」のことを指すようです。

エバ・ペロンとは、貧しい生まれでありながら、その美貌とド級の野心でガツガツ成り上がり、激動の人生を駆け抜けた人物です。

15歳で家を出たのち、グラドルや女優、売春婦などを経て、大統領の愛人の座に登りつめ、さらに結婚にこぎつけ、夫の地位をバックにブイブイ言わせ、国政に絡むまでになるというツワモノです。

弱者のためにバリバリ活動して支持を得る一方で、金と地位を利用して趣味のブランド品等を買い漁りまくる俗物的な一面もあり、非常に賛否両論を巻き起こす人物だったようです。

最終的には33歳の若さであの世へいっています。

要は、とにかく活動的で、良くも悪くも激しく生きた人物だったようです。

この曲の主人公は、そんなエバ・ペロンのファンのようで、ガツガツ生き抜いた彼女を思い出し、恋人を吹っ切ろうとしています。

相手とは思い出があるようなので、そこそこ長い付き合いではあったみたいです。

 

“感傷的な気分なら
さぁ 気の済むまで‘祈り'
楽しむがいい
Don't look back”

これは相手の恋人に向けた発言だと解釈します。

「気ィ済むまで勝手に祈っとけカス」ということです。

主人公はもう振り向かない意志を固めています。

 

“踊れ Argentina
紅いアゲハの様に
生き抜いた そう Argentina
その意志を宿して
遥か遠く Argentina
未来まで引き寄せ
心を舞う そう Argentina
空に向け 飛び立て”

自分の心にエバ・ペロンを宿し、勢いに任せて別れの辛さを吹き飛ばそうとしています。

「心にギャルを飼う」みたいなことです。

「恋人との過去は捨てて、別の幸せな未来を引き寄せるくらいの気持ちで飛び立つぞオラァ」という強いメンタルを見せています。
主人公も実際にクラブで踊り狂っているのかもしれません。

ヤケクソになって忘れるタイプですね。

 

“Remember Argentina
紅いアゲハの様ね
生き抜いた そう Argentina
その意志を宿して
遥か遠く Argentina
未来を引き寄せて
心を舞う そう Argentina
空に向け 飛び立て“

ところどころマイナーチェンジしていますが、ほぼ繰り返しです。

 

まとめると、「恋人に浮気されてブチギレたら、はぐらかして関係を継続しようとしてきた挙句ヌルーっと逃げようとしたので、完全に別れることを決め、心にエバ・ペロンを宿して勢いのままに吹っ切ろうとするオラオラソング」ということになります。

 

・ひとこと感想

アップテンポなメロディーと激しめの歌詞が非常に気持ち良いです。

ノリ重視で聞ける曲で好きです。

オラつきたいときによく聞きます。