GARNET CROW PARK

GARNET CROWの歌詞の意味を考察しているブログです。

6曲目『雨上がりのBlue』

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今回は、爽やかすぎた失恋ソング『雨上がりのBlue』を深読みしていきたいと思います。

 

雨上がりのBlue

AZUKI七

“夏の夕暮れに並んだ足跡
不揃いな影がほら
気だるく揺れてる”

足跡が残る=砂浜を想像します。

気だるく影が揺れている=水面に影が映ってゆらゆら揺れているのを想像します。

夏の夕暮れ刻に誰かと砂浜に来て、海を眺めているようです。

ザ・青春の1コマです。

友達同士や仲間と来ている線もありますが、シチュエーション的にカップルだろうなと捉えておきます。

 

“二人同じ 過去(とき)を
共有した(すごした)からもっと
その 未来(さき)の方へ手を伸ばしたくなる”

意味はシンプルですが、当て字をフルに活用しています。

さっきの夕暮れの海の描写は、過去(回想)なのかもしれません。

この人物は、相手のことが今も変わらず好きで、将来を考えているようです。

 

“悪あがきの後の寂しさは何だろう
かみしめた無駄な時間愛しく
over 25℃”

ここで“悪あがき”、“寂しさ”というネガティブワードが飛び込んできます。

サビに“それぞれの道をゆこう”というお別れ確定フレーズが登場するので、そこから逆算して意味を考えていきます。

“悪あがき”とは、楽しかった頃の思い出をいつまでも引きずったり、「あそこでああしてれば、もっと上手くいったんちゃうかァァァ〜」と過去の自分をいつまでも悔いたりしてる感じを想像します。

何か事情があって別れたというより、コイツに原因があってフラれたと思われます。

何もせず一緒にダラダラしたり、くだらない話したり、そんな“無駄な時間”が何より宝物だったようです。

お互いに気を使わなくていいような、居心地のいい関係だったことが想像できます。

この2人は若いイメージです。

学生カップル感があります。

気温はover 25℃ということで、現在の季節も夏のようです。

 

“夏の繋がりを 信じていたい気持ちになれたよね
それぞれの道をゆこう
追いかけたイメージ雨上がりのBlue”

付き合っていたときに、余程手応えのある夏を過ごしたことが伺えます。

ラブラブカップル全盛期です。

「あの夏メチャクチャ良かったよな」という二人のご自慢の思い出があって、「ここまで深く繋がる経験をしたんだから、もう俺ら永遠じゃね?」と思っていたのでしょう。

この辺の感覚もやや若い(青い)感じです。

ただ、それぞれの道を行く(別れる)ことになったようです。

雨上がりのBlue”=「辛い別れを乗り越えたあとの、晴れやかな気持ち」という意味だと解釈します。

まだ未練は残ってるんでしょうが、吹っ切って前向きにガンバろうとしています。

いいことです。

 

“優しくなれない 時や されない歯がゆさ
僕ら逃げ出せず 人生行路(みち)をふらついていた”

人に優しくする余裕を失ったり、そんな余裕を失っている相手を理解し受け入れることができなかったり……

互いに未熟だったことがビンビン伝わってきます。

“人生行路をふらついていた”というフレーズに、なんとなく大学生感があります。

僕と言っているので、主人公クンは男です。

 

“儚い 生命(ひび)だと知りながらどうしてだろう
終わりのない問いかけはいつも
駆け巡る”

まだ過去の自分を悔いています。

「限りある人生の中で、好きな人と過ごせる時間は超貴重なのに、なんでもっと大切にできなかったんだろう」的なニュアンスだと思われます。

エンドレス自問自答です。

吹っ切れる様子がないですね。

 

“夏の遠ざかる 記憶だけ 哀しく連れて来る
そばにある愛しさの
意味をさらうように ふとよぎってく”

終わりのない自問自答が、また「サイコーの夏」の記憶を蘇らせてしまったようです。

“そばにある愛しさ”というのは、前半に出てきた「共に過ごした無駄な時間」や、「振り返ってから気づいた彼女の大切さ」的なことだと解釈します。

それらを再確認させるように、過去の記憶がよぎっています。

コイツはまだまだ失恋から立ち直れそうにないです。

 

“ハジけた夢はまた紡げばいい ただ在るだけ それもいい
愛すべきもの感じる気持ちまた流れたら
偉大な 生命力(そこぢから)だね”

「ハジけた夢(彼女とずっと過ごしたかった)は、また他の誰かと出会って叶えればいい」

「何かを求めずとも、とりあえずただ生きているだけでもエエわ」

と、またポジティブシンキングに持っていこうとしています。

何かを愛せる気持ち(人でもいいし、趣味でも何でも)にまた出会えれば、それが生きていく力になるぞ、ということです。

いいことです。

 

“夏の繋がりを 信じていたい気持ちになれたよね
やがて来る 気紛れな
運命(せかい)の中でも 巡りゆく
over 25℃ summer day
追いかけるのは 雨上がりのBlue”

これから人生に色んなことが訪れようとも、結局「あの夏の思い出」は自分の中を巡り続ける、と解釈します。

最強の思い出すぎて、忘れることは不可能に近そうです。

雨上がりのBlue(別れを乗り越えたあとの、晴れやかな気持ち)を迎えるのは当分先だと思われます。

 

まとめると、「彼女とサイコーの夏を過ごし、将来を考えるほど好きだったものの、未熟さゆえに別れることになってしまう。失恋を乗り越えることを夢見つつも、まだまだ後悔真っ最中の青春ソングということになります。

 

・ひとこと感想

瑞々しさが弾ける甘酸っぱい青春ソングで、走り出したくなるような若々しい気持ちになります。心の若返り薬です。

曲調は晴れやかなものの、歌詞の内容はバリバリ失恋真っ最中で、全然立ち直ってなくて好きです。

over 25℃というフレーズの発想がサイコーで、とてもお気に入りです。

ノリ感も相まって、サビ前の高揚感をグッと高めてくれます。

 

(※本記事の内容はすべて個人的な解釈によるものです)