GARNET CROW PARK

GARNET CROWの歌詞の意味を考察しているブログです。

10曲目『一緒に暮らそう』

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今回は、同棲ゴリ押しソング『一緒に暮らそう』を深読みしていきたいと思います。

 

一緒に暮らそう

AZUKI七

“雨の気配はない Nai
テレビの音はノイズ あぁ
四角い部屋キーボードを叩く”

外の様子を見てみたり、とりあえずテレビをただつけていたり、落ち着きのない主人公です。

テレビがついてるので、恐らく自宅です。 

キーボードを叩いていますが、作業に没頭している様子はないので、楽しいコト(趣味)はやっていなそうです。

“キーボードを叩く”という言い方が、仕事っぽいニュアンスを感じさせます。

「自宅に持ち帰って仕事をしているが、集中できない」といったシチュで解釈しておきます。

 

“少しくらいのスマイル Smile
振り向き手を振るくらい
出来ない性格 チクリ胸が痛む”

(恐らく)恋人との別れ際のクソムーブについて脳内反省会をしています。

集中できてない理由はコレです。

「別になんてことないっすよ」みたいなポーカーフェイスで、振り向きもせず颯爽と立ち去る自己満のイキリ別れです。

強がりというか、素直になれない面倒な性格です。

 

“手紙を書いたり返事を出したり未来につながる行為?”

遠距離恋愛で手紙のやり取りは続いているようですが、「これ未来に繋がってんの?」というモヤモヤした状態です。

こういう不安があるということは、相手とちゃんと将来を約束しているワケではなさそうです。

 

“ね. 一緒に歌おう 週末は外食しようよ
温もりとセットの関係がいいじゃない
眠い夜 話をしたりね いつまでも海岸歩いたり
今と明日をただ感じていたい
なんでまだ君は一緒に暮らしてくれない now&then”

かなり生活感のある願望がずらりと並んでいます。

壮大なロマンよりも、日常の小さな幸せをご所望です。

主人公は社会人だと思われますが、遠距離恋愛のため気軽に会うこともできず、せっかくの土日がクソ退屈で仕方ないのでしょう。

週末というワードが出てきているので、“今と明日”というのは「土曜日曜」だと解釈します。

眠くてもダラダラ話しこんでみたり、夜中に海岸を延々散歩してみたり、翌日も気にしなくていい土曜だからこそできるサイコーの夜ふかしイベントで癒やされたい!ということです。

仕事のみの平日に味気ない休日、楽しみのない社畜生活でストレスがモリモリ溜まっているようです。

“なんでまだ君は一緒に暮らしてくれない”と言っているので、相手の決断を待っている状態だと思われます。

向こうは同棲とか結婚を考えるほど思いがないのか、なかなか決断できないチキン野郎なのかもしれません。

 

“これが終わりじゃない Nai
メランコリックな miss あぁ
“後の祭り”って嫌な響きだ”

また過去のミスについてごちゃごちゃ悩んでいます。

 

“愛想笑いにも社交辞令にも少しも慣れないな”

ここのフレーズから思い浮かぶのは、「社会人になりたて」です。

一つ前のブロックの歌詞も、恋愛関係でのミスではなく、仕事のミスのことだと解釈します。

この辺から、慣れない社会人ライフで相当メンタルに来ており、とにかく一日中(特に夜中)一緒にいてほしいという主人公の心境が見えてきます。

会って遊べたとしても、また一人の部屋に帰って寂しく眠らないといけないので、「一緒に暮らそうぜ、終日トゥギャザーしようぜ」ということです。

 

“ね. 一緒に笑って 哀しい映画に泣こうよ
今と明日をまた満たせばいいじゃない
短い記憶の中で生きるようにはできていなくて
息の詰まる思いに囚われるけど
二人ならばきっと楽しい筈だよ now&then”

“今と明日をまた満たせばいいじゃない”とあるので、前は土日によく会っていたと思われます。

“短い記憶”と言っているので、それは長期間ではなかったようです。

満たされていた頃の短い思い出にすがるだけでは、現実を乗り切れないということです。

 

“ね. 一緒に踊って 24 時間中眠ろう
今と明日はまだ続いてるから
リアルでちっちゃなトラブル 夜の湾岸線ドライブで忘れちゃう
綺麗な冬空(そら)だ
今すぐ君と一緒に暮らしたいな now&then
このままじゃまだ...
心は彷徨う...
二人で暮らそう”

“綺麗な冬空(そら)だ”と具体的な感想を言っているので、ここの歌詞ではたぶん相手と実際に会っています。

“リアルでちっちゃなトラブル”とあるので、恋人とは関係ないところで、個人的になんかイヤなこと(たぶん仕事関係)があって忘れたかったのでしょう。

ドライブデートで一瞬現実からエスケープするも、やはりそれだけじゃ足りないようで、一緒に暮らそうぜとひたすら繰り返しています。

歌詞全体を読んでみて気になったのが、相手の特徴が書かれてないということです。

主人公がひたすらグチや己の願望を垂れ流すのみで、相手に対する愛情があまり見えてきません。

真剣に二人で生きていこうと考えているのではなく、「とにかく今リアルがうまくいってないから、休みの日に一緒にいて忘れさせてほしい」という短絡的なワガママで、同棲をゴリ推している印象です。

ストレスで精神が不安定なのか、やや暴走気味なきらいがあります。

 

まとめると、「社会人なりたてで精神的にキツく、癒やしとなるハズの土日も一人でつまらないので、すがるように遠距離の恋人にひたすら同棲をせがむワガママソング」ということになります。

 

・ひとこと感想

辛い毎日から逃げたくて、衝動的に誰かと一緒にいようとしてしまうこと、ありますね。

 

(※本記事の内容はすべて個人的な解釈によるものです)

9曲目『一番素敵だった日』

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今回は、火遊びのあとの虚しさ『一番素敵だった日』を深読みしていきたいと思います。

 

一番素敵だった日

AZUKI七

“飾り立てたスタイル その場だけのトーク
ノリのよさが瞬間生きてるような
わりと嫌いなタイプ だけど目に焼きつく
楽しそうに笑う声だけが好き”

気になる相手は、外面バリバリ着飾って、勢いだけのペラいトークでその場を盛り上げて、ノリで生きてて、つまりチャラ男です。

片思いを募らせていた感もなく、初対面っぽいイメージです。

パリピは嫌いなようなので、主人公は遊び人タイプではないと思われます。

描写的に二人きりではなく、周りに大勢いると考えます。

友達に誘われて無理やり行った合コンなりバーベキュー大会的なイベントで、見るからに軽薄そうなウェイ系がいて、嫌いなタイプのはずなのになんか気になっちゃう――そんな場面が想像できます。

 

“どうせ虚しいんだ 失敗ばかりだ
恋に落ちるたび別人のようになるのもいい
かまわない”

うまくいかない恋を繰り返してきたのか、恋愛というモンに対する諦めが感じられます。

ガーネットの曲の登場人物は基本こういう奴です。

“恋に落ちるたび別人のようになるのもいい”というフレーズからは、「どうせ恋なんていつか冷めるし、その間だけ別人のように変身できて、普段の自分を忘れられるならそれでいい」みたいな刹那的思考が伺えます。

現実逃避するために、無理やり恋に溺れようとしている感じです。

ここまでの描写を見るに、主人公は毎日がつまらないのか、孤独なのか、かなり刺激に飢えてる印象です。

普段嫌いなはずのチャラ男タイプが気になっちゃう時点で、心の奥では危険な恋をご所望です。

ヤバいとわかっていながら、わざとスリリングな方へ自分を導いている節があります。

 

“‘イチヌケタ'ってわかりゃしない
退屈ならもてあましてる
希望と破滅が同じにみえたこの夜はあぁ
なんて素敵な夜 一番素敵だった日”

イチヌケタ”というのは、1抜け=最初に抜ける、という意味だと解釈します。

最初に抜けたってバレねぇだろ――合コン等で二人がいつの間にかいなくなっているアレ、「こっそり抜け出しちゃおっか♡」です。

要はワンナイトです。

やはり毎日が退屈で、火遊びしたい気分だったようです。

この恋でもしかしたら幸せになれるかもしれない」という希望と、「どうせ一時の快楽で終わり、一層虚しくなるだけ」という破滅が同時進行しながらハメを外す夜、気持ちェェ〜〜!!ということです。

“一番素敵だった日”ということは、やはりこの夜がピークで、その後いい関係に繋がることはなかったと思われます。

 

“会いにゆきましょう会いたい人に
晴れ渡れ空 遮るものなど何もない位うかれたい”

あの夜のあと、ワンナイト相手と体の関係になったと思われます。

また会いに行くようですが、ホントに浮かれているときに“うかれたい”とはわざわざ考えないので、やはり頭のどっかに「何やってんだろう」と思う冷静さが残っているようです。

無理やりハイになろうとする痛々しさが感じられます。

 

“‘ナゲダシタ'って間違わない
重なり合うのは夢じゃない
体と体 絡み合う視線
想いなどあぁ 重ねようとしても ソー フーリッシュ”

ナゲダシタ”というのは、身を投げ出すという意味で解釈します。

報われない恋に身を投げる、体を許す的なニュアンスです。

セフレ関係に溺れつつも、間違った考えは起こさず(本気で恋が実ると期待せず)、「向こうはただのヤリモクだと分かってますよ」ということです。

重なってるのは体のみで、想いが通じ合ってるわけじゃないと完全に気づいているので、もうこの先は虚しさのみです。

 

“‘イチヌケタ'ってわかりゃしない
退屈ならもてあましてる
希望と破滅が同じにみえたこの夜はあぁ
なんて素敵な夜 一番素敵だった日

繰り返し。

 

まとめると、「退屈な毎日に嫌気が差し、刺激を求めてチャラ男とワンナイトして、その日の夜はハメを外せて最高だったものの、その後はただのセフレ関係になり、また虚しさだけが残った」ということになります。

 

・ひとこと感想

切なく儚げなイメージのGARNET CROWの恋愛ソングの中では、かなり俗っぽい内容ですが、生々しいリアルさがあって新鮮です。

恋愛のキレイな部分だけでなく、人間のこういう一面も描いてくれるのが良くて、詞の内容がお気に入りの曲です。

 

(※本記事の内容はすべて個人的な解釈によるものです)

8曲目『Yellow Moon』

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今回は、マジでフラれる5秒前『Yellow Moon』を深読みしていきたいと思います。

 

Yellow Moon

AZUKI七

“ねぇ ぎゅっと抱きしめていて なぜか不安で仕方ないの
夜の海 波音が静かすぎて怖いよ
ねぇ きっと忘れてしまう君の声その温もりも
伝えられず隠してた幾つもの想いも”

カップルが夜の海に来ていますが、不穏なムードが漂っています。

二人でいるのに主人公に不安や怯えの精神状態が見られたり、言いたいことをわんさか溜め込んでいる様子から、このカップルの関係性が非常に危ういものであることが推察されます。

相手のことを忘れてしまうと言っているので、これから会えなくなる可能性大です。

重苦しい雰囲気でフラレることを察知した主人公が、ガクブルしているシーンだと解釈します。

 

“愛に嘆くうた溢れてても この気持ちを癒すものがない
誰もが同じように戸惑うものと知るだけ”

悲しいラブソングを聞いたところで、「みんな恋愛でズタボロになっている」という現実に打ちのめされるだけ、とグチっています。

もう恋愛というもの自体に良いイメージが持てなくなっている感じです。

 

“どうして?無益な愛が溢れ”

フラレることがわかっていても、主人公はまだまだ相手のことがバリバリ好きなようです。

その思いを“無益な愛”という悲惨すぎるワードで表現しています。

「報われない片思いも無意味じゃないヨ!」的なポジティブな考えもありますが、今の主人公はもう完全に絶望モードです。

 

“あぁ そっと さらってゆくよ描いていた未来の意味も
最初から独りきり笑うよYellow moon”

主人公は相手との将来をマジで考えていたようですが、向こうはそうではなかったようです。

二人の愛が終わるとかいう以前に、「そもそも最初から独りやったんかい」という悲しい事実に、思わず笑ってしまっています。

悲惨すぎる状況に陥ったときの、「もう笑うしかない」というヤツです。

 

“誰かを愛してしまったなら いつか失う痛みに耐える
その日は必ずやってくるものなのでしょう…”

ガーネットの歌詞によく出てくる、おなじみの無常感です。

とにかく、幸せがいつか終わることにビビり散らします。

 

“寄り添う君の手が冷たく”

相手は寄り添う姿勢を見せているものの、その手から温もりを感じられないようです。

気持ちが入ってないただのポーズはすぐに伝わるということです。

相手の態度もメンドくさいです。

どうせフるんだから、半端なことしてないでさっさとしなさい。

 

“もぅずっと探しているね 最後の優しい言葉
同じように冷めていたフリをしてあげましょう
ねぇきっと薄れゆくでしょう この日の胸を刺す痛み
いつかまた思い出せと 佇むよう Yellow moon
照らし出すよう Yellow moon
ただそこに Yellow moon”

相手は、別れ際を穏便にやり過ごせそうな、お祈りメール的テイのいい言葉を探しています。

しかし、主人公は相手がとっくに冷めていたことに気づいているので、控えめに言って地獄です。

見え見えの雑な配慮は逆にウザいのです。

主人公はすべて察した上で、グダグダ足掻かずに「こっちも冷めてた」というオトナな嘘をついて、今日を持ってこの恋にピリオドを打つ構えです。

この日の別れの痛みすら、時間が経てば忘れてしまうという無常さにセンチメンタルになっています。

一つの恋がどうこうより、もう「時の流れ」そのものを憂うスケール感です。

余程月が印象的な夜らしく、別れの夜Yellow Moonで紐付けて記憶に刻めるレベルのようです。

 

まとめると、「フラれる直前の歌」です。

 

・ひとこと感想

歌詞の中で時間の経過や場面変化もなく、フラれる直前の描写と心情のみで構成されていて、非常にシンプルでわかりやすい1曲です。

 

(※本記事の内容はすべて個人的な解釈によるものです)

7曲目『Argentina』

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今回は、情熱的ブチギレソング『Argentina』を深読みしていきたいと思います。

 

Argentina

AZUKI七

“騒音纏わりついて
肝心な声は消え
曖昧な微笑みで
逃げようとしてる”

なんかうるさい場所にいます。

誰かと話しているようですが、相手は騒音に乗じて話をはぐらかし、シレーっとやり過ごそうとしているようです。

イライラ感が伝わってきます。

 

“生命の危機に似た
終幕を奏でたって
再会の猶予なんて
少しも残したくない
そうね簡単に他人になれちゃうし”

状況的に、別れ話の最中を想像します。

どこで話してるのか分かりませんが、周りはクソうるさいので、街中とか居酒屋とかクラブとか、マジメに話し合うには全く適さない場所だと思われます。

恐らく急なケンカです。

結果、「金輪際、二度と会わねェ」と主人公が激おこです。

相手の浮気でも発覚したのかもしれません。

“生命の危機に似た終幕”とは、男女の別れ際における「殺し合いレベルの激しいケンカ」と解釈します。

要は修羅場です。

「どうせ恋人つったって、何かあればすぐ“他人”同士に逆戻りだろうがオラァ」と投げやりになっています。

 

“最低な気分だって
何度も言わせないで
修復はこれまでに
不可能だって 気づいているでしょう”

主人公はかなりの激情型のようで、GARNET CROWの曲に出てくる人物としてはかなり珍しいタイプです。

この怒り方は、相手が浮気をやらかしたと見ていいと思います。

相手は言い訳がましく関係継続を望んでいるようですが、主人公はブチギレモードなので火に油を注ぐのみです。

 

“感嘆のため息は
賞賛の為じゃなくて
落胆を隠す為って事もあり”

“感嘆のため息”とありますが、浮気したカスに対して感嘆している訳がないので、何か別の対象に向かっての行動だと考えられます。

感嘆や賞賛といったワードは、何らかの作品やショーのようなものを観ているときに使われるイメージです。

辺りはうるさいようですし、クラブかどっかのダンスパーティーだと解釈しておきます。

そうすると、ステージのダンスショーを観て感嘆するフリをしながら、相手をガン無視している画が浮かんできます。

 

“あぁ Fade-out したがるなんてね
もう 終わるものなら
Cut-out 引きずらないわ”

開き直ったのか相手は諦めて、ケジメもつけずにぬるーっとサヨナラを決める構えのようです。

ここのブロックを見ると、ブチギレながらもまだ相手のことを完全に見限った訳ではなかったようです。

浮気されてカッとなり、勢いづいて「二度と会わん!!!」とは言ったものの、一方で「これで終わんのかい……」という複雑な心境が伺えます。

ただ、相手がフェイドアウトというゴミクズムーブを取ったことで、さすがにもう別れを決意したのでしょう。

 

“Remember Argentina
情熱に巻かれりゃいい
地を駆け Fallin' Argentina
夜を越えて 生まれ
体とmind そう Argentina
きつく強く結び
想い出は ねぇ Argentina
重く邪魔なだけね”

“Argentina”というのは、「エビータ」の愛称で呼ばれる元アルゼンチン大統領夫人の「エバ・ペロン」のことを指すようです。

エバ・ペロンとは、貧しい生まれでありながら、その美貌とド級の野心でガツガツ成り上がり、激動の人生を駆け抜けた人物です。

15歳で家を出たのち、グラドルや女優、売春婦などを経て、大統領の愛人の座に登りつめ、さらに結婚にこぎつけ、夫の地位をバックにブイブイ言わせ、国政に絡むまでになるというツワモノです。

弱者のためにバリバリ活動して支持を得る一方で、金と地位を利用して趣味のブランド品等を買い漁りまくる俗物的な一面もあり、非常に賛否両論を巻き起こす人物だったようです。

最終的には33歳の若さであの世へいっています。

要は、とにかく活動的で、良くも悪くも激しく生きた人物だったようです。

この曲の主人公は、そんなエバ・ペロンのファンのようで、ガツガツ生き抜いた彼女を思い出し、恋人を吹っ切ろうとしています。

相手とは思い出があるようなので、そこそこ長い付き合いではあったみたいです。

 

“感傷的な気分なら
さぁ 気の済むまで‘祈り'
楽しむがいい
Don't look back”

これは相手の恋人に向けた発言だと解釈します。

「気ィ済むまで勝手に祈っとけカス」ということです。

主人公はもう振り向かない意志を固めています。

 

“踊れ Argentina
紅いアゲハの様に
生き抜いた そう Argentina
その意志を宿して
遥か遠く Argentina
未来まで引き寄せ
心を舞う そう Argentina
空に向け 飛び立て”

自分の心にエバ・ペロンを宿し、勢いに任せて別れの辛さを吹き飛ばそうとしています。

「心にギャルを飼う」みたいなことです。

「恋人との過去は捨てて、別の幸せな未来を引き寄せるくらいの気持ちで飛び立つぞオラァ」という強いメンタルを見せています。
主人公も実際にクラブで踊り狂っているのかもしれません。

ヤケクソになって忘れるタイプですね。

 

“Remember Argentina
紅いアゲハの様ね
生き抜いた そう Argentina
その意志を宿して
遥か遠く Argentina
未来を引き寄せて
心を舞う そう Argentina
空に向け 飛び立て“

ところどころマイナーチェンジしていますが、ほぼ繰り返しです。

 

まとめると、「恋人に浮気されてブチギレたら、はぐらかして関係を継続しようとしてきた挙句ヌルーっと逃げようとしたので、完全に別れることを決め、心にエバ・ペロンを宿して勢いのままに吹っ切ろうとするオラオラソング」ということになります。

 

・ひとこと感想

アップテンポなメロディーと激しめの歌詞が非常に気持ち良いです。

ノリ重視で聞ける曲で好きです。

オラつきたいときによく聞きます。

6曲目『雨上がりのBlue』

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今回は、爽やかすぎた失恋ソング『雨上がりのBlue』を深読みしていきたいと思います。

 

雨上がりのBlue

AZUKI七

“夏の夕暮れに並んだ足跡
不揃いな影がほら
気だるく揺れてる”

足跡が残る=砂浜を想像します。

気だるく影が揺れている=水面に影が映ってゆらゆら揺れているのを想像します。

夏の夕暮れ刻に誰かと砂浜に来て、海を眺めているようです。

ザ・青春の1コマです。

友達同士や仲間と来ている線もありますが、シチュエーション的にカップルだろうなと捉えておきます。

 

“二人同じ 過去(とき)を
共有した(すごした)からもっと
その 未来(さき)の方へ手を伸ばしたくなる”

意味はシンプルですが、当て字をフルに活用しています。

さっきの夕暮れの海の描写は、過去(回想)なのかもしれません。

この人物は、相手のことが今も変わらず好きで、将来を考えているようです。

 

“悪あがきの後の寂しさは何だろう
かみしめた無駄な時間愛しく
over 25℃”

ここで“悪あがき”、“寂しさ”というネガティブワードが飛び込んできます。

サビに“それぞれの道をゆこう”というお別れ確定フレーズが登場するので、そこから逆算して意味を考えていきます。

“悪あがき”とは、楽しかった頃の思い出をいつまでも引きずったり、「あそこでああしてれば、もっと上手くいったんちゃうかァァァ〜」と過去の自分をいつまでも悔いたりしてる感じを想像します。

何か事情があって別れたというより、コイツに原因があってフラれたと思われます。

何もせず一緒にダラダラしたり、くだらない話したり、そんな“無駄な時間”が何より宝物だったようです。

お互いに気を使わなくていいような、居心地のいい関係だったことが想像できます。

この2人は若いイメージです。

学生カップル感があります。

気温はover 25℃ということで、現在の季節も夏のようです。

 

“夏の繋がりを 信じていたい気持ちになれたよね
それぞれの道をゆこう
追いかけたイメージ雨上がりのBlue”

付き合っていたときに、余程手応えのある夏を過ごしたことが伺えます。

ラブラブカップル全盛期です。

「あの夏メチャクチャ良かったよな」という二人のご自慢の思い出があって、「ここまで深く繋がる経験をしたんだから、もう俺ら永遠じゃね?」と思っていたのでしょう。

この辺の感覚もやや若い(青い)感じです。

ただ、それぞれの道を行く(別れる)ことになったようです。

雨上がりのBlue”=「辛い別れを乗り越えたあとの、晴れやかな気持ち」という意味だと解釈します。

まだ未練は残ってるんでしょうが、吹っ切って前向きにガンバろうとしています。

いいことです。

 

“優しくなれない 時や されない歯がゆさ
僕ら逃げ出せず 人生行路(みち)をふらついていた”

人に優しくする余裕を失ったり、そんな余裕を失っている相手を理解し受け入れることができなかったり……

互いに未熟だったことがビンビン伝わってきます。

“人生行路をふらついていた”というフレーズに、なんとなく大学生感があります。

僕と言っているので、主人公クンは男です。

 

“儚い 生命(ひび)だと知りながらどうしてだろう
終わりのない問いかけはいつも
駆け巡る”

まだ過去の自分を悔いています。

「限りある人生の中で、好きな人と過ごせる時間は超貴重なのに、なんでもっと大切にできなかったんだろう」的なニュアンスだと思われます。

エンドレス自問自答です。

吹っ切れる様子がないですね。

 

“夏の遠ざかる 記憶だけ 哀しく連れて来る
そばにある愛しさの
意味をさらうように ふとよぎってく”

終わりのない自問自答が、また「サイコーの夏」の記憶を蘇らせてしまったようです。

“そばにある愛しさ”というのは、前半に出てきた「共に過ごした無駄な時間」や、「振り返ってから気づいた彼女の大切さ」的なことだと解釈します。

それらを再確認させるように、過去の記憶がよぎっています。

コイツはまだまだ失恋から立ち直れそうにないです。

 

“ハジけた夢はまた紡げばいい ただ在るだけ それもいい
愛すべきもの感じる気持ちまた流れたら
偉大な 生命力(そこぢから)だね”

「ハジけた夢(彼女とずっと過ごしたかった)は、また他の誰かと出会って叶えればいい」

「何かを求めずとも、とりあえずただ生きているだけでもエエわ」

と、またポジティブシンキングに持っていこうとしています。

何かを愛せる気持ち(人でもいいし、趣味でも何でも)にまた出会えれば、それが生きていく力になるぞ、ということです。

いいことです。

 

“夏の繋がりを 信じていたい気持ちになれたよね
やがて来る 気紛れな
運命(せかい)の中でも 巡りゆく
over 25℃ summer day
追いかけるのは 雨上がりのBlue”

これから人生に色んなことが訪れようとも、結局「あの夏の思い出」は自分の中を巡り続ける、と解釈します。

最強の思い出すぎて、忘れることは不可能に近そうです。

雨上がりのBlue(別れを乗り越えたあとの、晴れやかな気持ち)を迎えるのは当分先だと思われます。

 

まとめると、「彼女とサイコーの夏を過ごし、将来を考えるほど好きだったものの、未熟さゆえに別れることになってしまう。失恋を乗り越えることを夢見つつも、まだまだ後悔真っ最中の青春ソングということになります。

 

・ひとこと感想

瑞々しさが弾ける甘酸っぱい青春ソングで、走り出したくなるような若々しい気持ちになります。心の若返り薬です。

曲調は晴れやかなものの、歌詞の内容はバリバリ失恋真っ最中で、全然立ち直ってなくて好きです。

over 25℃というフレーズの発想がサイコーで、とてもお気に入りです。

ノリ感も相まって、サビ前の高揚感をグッと高めてくれます。

 

(※本記事の内容はすべて個人的な解釈によるものです)

5曲目『As the Dew』

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今回は、哀愁爆発あぁあぁソング『As the Dew』を深読みしていきたいと思います。

 

As the Dew

AZUKI七

“生憎の雨だけど予定通り出かけましょう
せっかくのDress upも あなたには見えてないし”

雨天決行です。

描写的に主人公は女性で、予定とはデートと考えていいと思います。

相手の男が自分のことをちゃんと見てくれるなら、バキバキに着飾りたいから、予定変更してでも雨の日のデートは避けたのでしょうが……(一張羅が濡れるのイヤ)

どうやら相手の男は、そんな女性のカワイイ努力にもガン無視を決める不届き者のようです。

「どうせオシャレしたってなんの反応もせんしな。傘で隠れても関係ないし、2軍の服でエエから雨でも出かけよ」という投げやりマインドになっています。

ただ、一応相手のためにオシャレすることを考慮するくらいなので、この女性はまだ少しは気持ちがあると思われます。

こっちはまだ好きなのに、向こうが自分に関心なくなっててムカつく!という悩み方です。

この2行で、二人の関係が下り坂(特に相手の男性側の気持ちが冷めてきてる)なのが一発で伝わってきます。

 

“週末の桜通りなら華やいだ白い道
足音響く美術館で懐かしんだSerusier”

「週末ならもっとこの道(桜通り)も華やいでいた」ということは、週末(土日)ではなさそうです。

平日の合間を縫ってデートしているのかもしれません。

「週末のデートだったらもっと時間取れたし、通りも賑やかでイイ雰囲気だったのになぁ」的な不満があるようにも取れます。

デート場所は美術館のようですが、足音が響くくらい静かな場所なので、当然二人の会話はナシです。

会話が面倒くさいから、喋らなくても成立するデートを(たぶん相手の男が)チョイスした可能性があります。

Serusierというのは、ポール・セリュジエという画家の名前です。

その人の絵を見て“懐かしんで”いるので、初見ではないことが分かります。

昔、何回かこの美術館に来たことがあるのかもしれません。

来たことある美術館(使い回しの場所)で無言デートとは、相手の男の士気の低さが伺えます。

品のあるワードが並ぶので、学生カップル的な若者の恋というより、大人の恋ってカンジがしますね。

相手の男は年上で、そこそこ地位がありそうな(高スペックな)印象です。

 

“二度と会わない関係ならば
傷つけ合わずに
甘い想い出の日々と
思うことも出来るけど”

関係はかなり雲行きが怪しいものの、今のところ別れる予定はないようです。

女性はまだ好きな気持ちが残っているが、相手の男は冷めてきていて、その様子を隠そうともしない。

その温度差のせいでケンカも絶えないけど、何だかんだ惰性で付き合い続けている……そんなジメジメした関係が想像できます。

完全に断ち切ろうとしない(二度と会わない関係にはならない)ところを見ると、この二人は結婚している可能性があります。

あるいは、仕事場が一緒というケースなど。

ただのカップルなら、別れて「ハイ、サヨナラ」でいいハズです。

 

“時の流れには逆らえず
色褪せてゆく想いもあり

それでもさめざめと流れてく
涙はちょっといいもんじゃない”

「長年一緒にいれば、想いが色褪せていくのはしょうがない」と頭では分かっている(納得しようとしている)ものの、涙がこぼれてしまっています。

そんな涙を、“ちょっといいもんじゃない”=みっともない、見てられない、と感じています。

サクっとふっ切りたいのでしょうが、泣いてしまうということは、やはりこの女性は完全に気持ちが冷めたわけではないのでしょう。

 

“あぁ…あぁ ひゅるる陽は墜ちて
まだ愛があるみたいじゃない”

あぁ…×2。悩んでいます。

“陽は墜ちて”というフレーズですが、天気は雨のハズなので、そのままの意味というより、「二人の関係が終わっていく」ことの隠喩かもしれません。

あるいは、「頬を流れていく涙」を例えているとも取れます。

そうすると、“まだ愛があるみたいじゃない”というフレーズにも自然に繋がります。

「涙が流れるなんて、まだ愛があるみたいじゃない」ということです。

あると思います。

 

“大切な話だって3分で終わっちゃうし
窓の外でも眺めて華やいでく物思い”

場所がどこか分かりませんが、窓辺でなんか話しているようです。

大切な話が3分で“終わっちゃう”という言い方からも、この女性側としてはもっとちゃんと話し合いたいのでしょう。

ただ、男側はそういうの面倒くさいから、テキトーにかわす。

ありがちな男女の態度の差です。

二度と会わない関係ではないので、別れ話ではなさそうです。

生活の話とか、関係の改善についての話でしょうか。

この二人は結婚していると解釈します。

話が終わったら、また会話もないので窓の外を眺めて思いを巡らせています。

 

“風に乗ってカモメがゆくよ
空の色(あお)ってなんてキレイ
まるで果てのない世界
揺れて…揺れて憧れた”

晴れてるっぽいので、1番の雨天デートとはまた別の日か、天気が変わったかです。

果てしない空を自由に飛び回るカモメを「エエなぁ……」と思いながら眺めています。

今の気まずい関係を全部断ち切って、自由になりたいという気持ちもどこかにあるようです。

 

“人はこの空へ羽ばたける
翼などもてたとしても

行く先を知る術が無いから
心もとなく彷徨うでしょう”

果てのない空へ羽ばたけた(別れて自由になれた)としても、どうせ心もとなくなって彷徨うだろうなという、諦めの心情が出ています。

冷めきった関係を続けるのも辛いし、かといって別れてもその後どうしていいか分からなくて辛いという、クソ2択です。

 

“あぁ…あぁ ひゅるる日は落ちて
家へ帰る道がある”

2番の“日は落ちて”は、そのままの意味だと思われます。

空へ羽ばたいていく空想を巡らせていましたが、結局は家に帰る(冷めきった家庭に戻る)という現実を選ぶようです。

この“家に帰る道がある”というフレーズからも、二人が同じ家に住んでいる(家庭がある)というニュアンスを感じ取ることができます。

子供もいるかもしれません。

さっきの“大切な話”というのも、子供絡みの可能性もあります。

 

“あぁあぁ 人間だもの
あぁあぁ 露と墜ちる”

あぁあぁ言うています。

諦めのため息4連発です。

露=儚く、きえやすいものという意味だと考えると、「人の思いなんて色褪せていくものだから、人間関係も露のような儚いモノになってしまう」的なことを言っていると思われます。

 

“時の流れには逆らえず
色褪せてゆく想いもあり

それでもさめざめと流れてく
涙はちょっといいもんじゃない”
“あぁ…あぁ ひゅるる陽は墜ちて
まだ愛があるみたいじゃない”

繰り返し。

 

まとめると、旦那が冷めきっていることはわかっているものの、自分はまだ気持ちが残っているし簡単に別れるワケにもいかず、かといって関係の改善も見込めずどうしようもないという、八方塞がり詰みソング」ということになります。

 

・ひとこと感想

ピアノがイカす超絶クールな曲で好きです。

漂う哀愁にもどこか品があり、渋いオトナの恋の世界に浸ることができる名曲です。

カッコつけて街を歩きたいときに聞きます。

 

(※本記事の内容はすべて個人的な解釈によるものです)

4曲目『A crown』

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今回は、日常の幸せ再確認ソング『A crown』を深読みしていきたいと思います。

 

A crown

AZUKI七

“昨日の雨はもういないよ
だけど僕は忘れない
いつもの公園の緑が育つよ”

主人公の男性が、昨日降った雨を忘れないという謎の意思表明をしています。

もう止んだようですし、どうでもいいと思いますが、なぜか覚えておくようです。

“いつもの公園”というフレーズから、長い間この公園近辺に住んでいることが伺えます。

「いつも公園の緑が育っていることに気づく」という、見慣れた景色の些細な変化にも敏感に反応するすばらしい感受性を見せています。

この男性は、昨日の雨公園の緑など、誰もが通り過ぎてしまうような何気ない日常の1コマにも、しっかりと目を向けているようです。

 

“消えてゆく毎日の中
たまには立ち止まってみなきゃ
わからない事もある なんて思う”

どうやら、これまでは慌ただしい日々を送っていた様子が伺えます。

現在は、立ち止まって日常をじっくり味わい直そうというスタンスのようです。

何やら環境や心境の変化があったと思われます。

ひたすら仕事仕事の日々を送っていたアラサーアラフォーのビジネスマンが、ふと我にかえり仙人のようなマインドに変わるケースはよく見られます。

急に瞑想とか始めるようなアレです。

 

“偶然に落ちた
落とし穴”

良くないハプニングに見舞われたことが推察されます。

“偶然”ということで、例えば災害、交通事故、病気、急なリストラ、身内の死etc…、そんな類のモンでしょう。

そのせいで日常が一変し、否応なしに立ち止まることになり、結果今まで気づかなかった色んなことが見えてきた、という一連の流れが浮かんできました。

 

“ひらり 朝日が滑り込んで
僕らをドアの外 送り出すんだ
空を見上げて吸い込んだ 今日は
まだ何処へゆくのかなんて わからないよ”

“僕ら”――もう一人の人物が登場しました。

朝を一緒に迎えているようなので、おそらく一緒に住んでいると思われます。

夫婦か、同棲カップルでしょう。

長いこと住んでいるみたいなので、夫婦の可能性が高そうです。

外へは出るものの、行き先は完全ノープランのようです。

学校や会社等の決まった場所へと通うような、いつもの朝ではないようですね。

休日なのか、あるいは無職の可能性もあります。

 

“何か起こりそうな気がした for days
何も起こらない気もした 今日をいつか
二人で振りかえる時
きっと頭上に輝く
小さな王冠みえる”

これからの予定が何も見えてこず、ガチのマジで白紙状態のようです。

いい大人がここまでスケジュールがまっさらという状況は、そうそうありません。

やはり急に仕事でも失ったんでしょうか。

しかし、「そんな今日をいつか二人で振り返るとき、頭上に小さな王冠が見えるだろう」と言っています。

王冠は恐らくいい意味で使われてると考えられるので、「まあ、こんな状況も後から考えればよかったと思えるだろう」というニュアンスを感じます。

開き直っているのか、これはこれでよかった(忙殺されていた日常を見直すいいキッカケになった)と思っているのか、わりと前向きなようです。

曲調もテンポが良くて明るいし、ある種の清々しさを感じます。

 

“先へと進むだけの旅は
思い出ばかりがふえてく
ココにある幸せをすぐに忘れて”

やはり、何気ない幸せを感じる余裕がない日々だったようです。

時間の流れを感じるので、この二人はそれなりに長く連れ添っている印象を受けます。

 

“木枯らし舞う夕暮れ時刻
たまには手をつないで歩こう
今日の夕食の材料を二人で買いにゆこう”

生活感がエグいので、もうこの二人は夫婦として考えます。

これまでは仕事が忙しいとかで、あまり夫婦間で満足にコミュニケーションが取れていなかったのでしょう。

手を繋いだり、一緒にスーパーに行くようなことすら殆どなかったようです。

新婚期間(ボーナスタイム)を過ぎた夫婦にありがちな現象です。

 

“当たり前を
増やさないで”

幸せも慣れると当たり前になってしまい、何も感じなくなります。

マンネリ化はどうしても完全には避けられないことですが、「もっと何気ない幸せに喜びを感じていこうや」という意思を見せています。

 

“ふわり 夜を泳ぐように
優しく危なげに 絡み合おうよ
時々夢中で私を抱いて
必要だと思わせて安らぐから”

一人称が僕から私に変わっています。

どうやら2番は女性(奥さん)目線の歌詞だったようです。

ここの内容は要するに、「もっと抱けや」ということです。

かなりの愛情不足だったようで、そんな日々に不満が溜めていたことが伺えます。

「必要とされてる感」に飢えています。

「時には我を忘れるレベルで、フガフガ言いながら夢中で求めてこいや」と言っています。

奥さん側の旦那に対する愛情は強く感じます。

 

“何か起こせそうな気がした for days
何も起こせない気もした そんな日には
手探りでゆこう
何にもなくったっていい
すべて終わるわけじゃない”

“何もなくったっていい すべて終わるわけじゃない”というフレーズがあるので、今は何もないふりだし状態のようです。

一度すべてを失うレベルの何かがあったことが伺えます。

旦那が仕事を失ったと勝手に解釈します。

奥さんはわりとポジティブというか、夫婦関係も一緒に再スタートするいい機会だと捉えている感じがします。

 

“ひらり 朝日が滑り込んで
僕らをドアの外 送り出すんだ
空を見上げて吸い込んだ 今日は
まだ何処へゆくのかなんて わからないよ”

“何か起こりそうな気がした for days
何も起こらない気もした 今日をいつか
二人で振りかえる時
きっと頭上に輝く
小さな王冠みえる”

繰り返し。

 

まとめると、「職を失ったことをキッカケに何気ない日常にあった幸せを再確認する旦那と、これを機にすれ違っていた夫婦生活を一から再スタートしようとする奥さんの、マンネリ夫婦生まれ変わりソング」ということになります。

 

・ひとこと感想

インディーズの頃の曲ですが、まだ素朴さが濃く残る歌声と、楽曲の確かなクオリティーが相まって、明らかにただ者ではないオーラが漂っています。

これほど日常的で生活感のある曲を歌っているのに、グループ全体の神秘性というか、浮世離れした雰囲気が消えないのが凄いです。

初期の初々しくてちょっと遠い感じの歌声がメチャクチャ好きです。

 

(※本記事の内容はすべて個人的な解釈によるものです)