GARNET CROW PARK

GARNET CROWの歌詞の意味を考察しているブログです。

1曲目『I can't take...』

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今回は、怒涛の英語ブチ込みソング『I can't take...』の歌詞を深読みしていきたいと思います。

 

I can't take...

AZUKI七

“雷鳴に震える空
反射してるビルの窓
慟哭はかき消される
生き甲斐さがす街”

爽やか風のイントロで滑り出したと思いきや、いきなり悪天候の描写です。

早速お得意のダークなニュアンスをカマしてきます。

空を震わすほどの雷鳴が轟く、注意報発令クラスの空模様です。

ビルの窓に空が反射しているのが見えることから、この人物は屋外にいることがわかります。

ビルが建っていたり、慟哭(声を上げて泣き叫ぶ)がかき消されるほど周囲が雑音に満ちているようなので、舞台はかなりの都会だと思われます。

コレといった生き甲斐も見つけられず、都会の喧騒にゴリゴリ削られているようです。

慟哭という症状が現れていることからも、この人物のメンタルが深刻な疲弊状態にあることが読み取れます。

 

“彫刻のようなmake-up も
普遍的さ纏う戦闘服
唐突な雨にだって
安らぎさがす”

メイクをしてるので、この人物は女性という認識で読み進めていきます。

周りについていくために、彫刻じみたバッキバキの高圧的メイク(戦闘用)を装備。

外見だけでもオラついておかないと、周囲に気圧されてしまいそうで不安。

そんな、素の自分に対する自信のなさが伺えます。

唐突な雨というクソイベントにすら安らぎを求めるほど飢えており、もう彼女の精神はグラッグラの歯抜けジェンガです。

ここまでの内容から、「都会に出てきたものの、何もかも上手くいかない社会人ビギナー。まだまだ未熟なヤング女性」といった人物像を想像しました。

 

“愛に満ちた場所へと
遠回りしてる”

充実感のない日々に焦燥感マシマシ。

無理して着飾って自分を保つのに毎日必死。

そんな余裕を欠いた状態では、愛し愛されの理想的ラブラブ生活♡へは辿り着けず、むしろ遠ざかるばかりのようです。

 

“I can't take... I can't take...
I can't take my eyes...
I can't take...
I can't take my eyes off of you
in my heart”

ここで突如として、主人公以外の人物(恐らく恋愛絡みであろう相手の男)が登場しました。

いきなり「アンタから目が離せへん」というシンプルな心情をバンバン連打しています。

付き合ってる相手なのか、片思いなのかはまだハッキリしません。

ここまで相手の存在や恋を匂わせる描写がなかったため、突発的で少々不気味であり、情緒の不安定さが見られます。

健全な恋愛感情というより、辛い現実から目を背けるために、誰かに依存しようとしているような印象です。

サビにてとうとうメンヘラ魔女と化したようです。

心に余裕のない視野狭窄状態で行う恋愛のため、かなりデンジャラス色の強いものになっています。

 

“I can't take... I can't take...
I can't take my mind
All you've got to be is true
and in my heart”

「アンタが頭から離れへん」

「アンタがしなければならないのは真実だけ、そしてウチの心ん中」

 

“想像以上に脆い自信
無意識は軽い罪のよう
消滅を狙う感情
彷徨いゆくよう”

ここの“無意識”というのは、相手の男の態度を指すものとして読み進めていきます。

相手の男は、この女性の狂おしい程の激情に気づかないほど、天然鈍感マンなようです。

あくまで女性目線なので、本当は男側がうわ…ヘラった、めんどくさ。気付かん振りしよとわざと無意識をキメ込んでる可能性もあります。

この男のフザケた態度に対して、女性は軽犯罪に匹敵するレベルであると憤っています。

付き合ってるにしろそうでないにしろ、女性の気持ちの方にかなり重さが偏ってしまっています。

ただでさえ過酷な日々で自信喪失しているのに、男も相手にしてくれない。

恋愛もうまくいかず、“消滅を狙う感情”もう消えてしまいたいという気持ちすら湧いてきて、フラフラと彷徨う闇堕ち状態になっています。

 

“夕暮れに手にいれた
静寂の中へ”

夕暮れ時、仕事が終わる時間帯です。

静寂ということで、街のド真ん中ではなさそうです。雷鳴も止んでいます。

恐らく自宅に帰ったか、人のいない独りになれる場所へ来たのでしょう。

“手に入れた”という言い方から、静寂を求めていたことが見て取れます。

精神がボロボロのときに独りで静かな場所にいると、余計ネガティブ思考の渦に呑まれるものですが……

それでもあえて静寂に身を置くあたり、一種の自傷行為、メンヘラーズハイに陥っているのかもしれません。

 

“I can't take... I can't take...
I can't take my eyes...
I can't take...
I can't take my eyes off of you
in my heart”

“I can't take... I can't take...
I can't take my mind
All you've got to be is true
and in my heart”

2番のサビも同じ繰り返しです。

また悶々と相手への思いを巡らせています。

独り静寂の中で考えこめば、当然こうなります。

相手の男が無意識だとしても、結局捉われ続けているようです。

 

“Our love is like a sound
Too blind to see
It's called love
I can't stand on...
just a sunshine”

「ウチらの愛は音のよう」

「盲目過ぎて見えない」

「それは愛とよばれてる」

「ウチ、ガマンできへん」

「まさに太陽」

“Our love”とあるので、恐らく二人は付き合っています。

相手に依存するあまり、女性の方が重くなりすぎて上手くいってないのでしょう。

とにかく思いが爆発してヤバそうです。

 

I can't take... I can't take...
I can't take my mind
All you've got to be is true
and in my heart

I can't take...
I can't take my mind off of you

最後まで繰り返し。

 

まとめると、「都会での生活に馴染めず、生き甲斐も見つけられず、充実感のない辛い現実から逃げるように、恋愛にすがろうとするメンヘラ女性の闇堕ちソングということになります。

 

・ひとこと感想

サビのメロディー、そしてシンプルな心情をひたすらブチ撒ける激しい歌詞が気持ちよくて好きです。

 

(※本記事の内容は全て個人的な解釈によるものです)